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其処に在る白角

おお これは現実には存在しない獣だ。
人々はそれを知らなかったのに 確かにこの獣を
その歩くさまや ただずまい そのうなじを
またその静かなまなざしに至るまで 愛していたのだ。

なるほどこれは存在していなかった だが
人々がこれを愛したということから生まれてきたのだ。
一頭の純粋な獣が。人々はいつも空間を空けておいた。
するとその澄明な 取って置かれた空間の中で
その獣は軽やかに頭をもたげ もうほとんど

存在する必要もなかった。人々はそれを穀物ではなく
いつもただ存在の可能性だけで養っていた。
そしてその可能性がこの獣に力を与え

その額から角が生えたのだ。一本の角が。
そして獣はひとりの少女に白い姿で近寄り
銀の鏡の中と 彼女の中に存在し続けた
                             ライナー・マリア・リルケ「オルフォイスへのソネット」第2部4より引用






時の静寂が、今だけ響き
染みた言葉が色を滲ませる

迷うだけのものならいらないそれは
子どものわがままのよう

俯いたあなたは空の一つに

古ぼけたノートにただ書き綴る
白角の獣が示したものを

私はただ、ただ
空が暗く淡い灰色と
雲に溜まる氷が涙のように溶けだした

冷えた体を抱きしめて




凍らせてまで、そこに閉じた。
擦れた声を涙で濡らしてみても
この胸が蒼く揺らぐだけ

仰いだ私は海の底へ

古ぼけたノートを読んでいると
白角の獣は語りかけた

獣の見た、ヒト
黒い空と積もる灰色と
暖かい緋色とひどく熱い雫

其処に生まれたヒトの思惟




誰かを亡くしてしまうなら
手なんて繋がない方がいい

喉の奥に潜めた声を今
世界に向かって叫べばいい

繋いだ手がいつか離れるのなら
ここに居る意味なんて無い

その強く籠った思惟を今
ただ誰かに伝えればいい

繋ぎに繋いで 光が咲く

もう何も怖くない
ヒトと獣の見た先を

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プロフィール

栗城

Author:栗城
大体ツイッターに居ます。→@keishishi

最近は大学生活やら家事やらその他もろもろで忙しいけどやりたいことはキッチリやってます。マイクラ動画製作中。

気ままに書くよー。

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